Q次郎が試走と試走偏差について分かりやすく解説し、予想に役立つ具体的な見方を実際のレース例に沿って解説します。
・試走タイムを予想に活用
・分かりにくい試走偏差を簡単解説
ー応用編:試走+試走偏差で穴目がわかる?!
ー応用編:重賞と一般で穴目を見分ける方法
【試走タイム】
オートレースの予想をする上で大切な要素である試走。
「試走」とは何か?簡単に説明させていただくと、
レースの前に行われる試し走行の事で、出走する選手の競走車の調子を見る大切な要素になります。
(他の公営競技で例えますと、競馬ではパドック、ボートレース(競艇)では展示。が近いと思います。)
まず前のレースが終了すると、出走選手の紹介を兼ねて枠番順に3周回試し走行を行います。
その後青旗の合図で最後の1周回(ゴール線をスタート)は全力で走行しタイムの計測を行います。
1周回(500m)で要した時間を100m換算し「試走タイム」(小数点第2位)として公表されますので必ず確認をしましょう。
例えば公表された試走タイムで、
Aの選手が3.30秒で
Bの選手が3.33秒だった場合
差は僅か0.03秒の差となりますが、実際のレースで6周回3,100mを走行したと換算すると、何と約30mもの差が生じる事になります。
最高時速150kmのモータースポーツの世界で、この差は大きなアドバンテージになります。
また試走で先頭を走る1号車は前に走る選手がいない(目標が無い)状態でで走るため、他の競走車より試走タイムが劣る傾向があります。
他の競走車と比較する場合は多くの方がマイナス0.01秒もしくはマイナス0.02秒で計算されています。私Q次郎はマイナス0.02秒で計算しております。
■Q次郎のチェックポイント
1点目が「試走タイム」は小数点第2位として公表されている点です。
例えば…
Cの選手が3.30秒で
Dの選手が3.30秒だった場合
同じ3.30秒ではありますが
Cの選手が3.295秒で
Dの選手が3.304秒でも
同じ3.30秒の公表となります。
上記のように6周回3,100mを走ると換算して0.009秒(約9m)の差となります。
動きもしっかり見ながら差があるか無いかの見極めもしています。
とはいえ試走タイムは小数点第2位で公表されていますので、この項目は補足程度で頭の片隅に置いておいていただければと思います。
2点目が「試走」のコース取り、動きです。
コース取りはまず試走の入りを、外コースから入ったか?内コースから入ったか?外コースはタイムだけは出しやすいですし、内コースはタイムが出づらいですがより本走に近くなります。
また「○コーナーで滑ってた」のはミスなのか車なのかも予想が必要ですし「前の選手に詰まってた」の場合も計算が必要になります。
【再試走】
上記の「試走」は全力での走行が義務付けられていますが、ごく稀に「再試走」が発生します。
「再試走」とは?
試走時に「競走車が滑ってしまった」「前の選手を抜いてしまい自分の全力が出せなかった」「後ろの選手に抜かれてしまった」などです。
試走の平均タイムが直近と比べて著しく悪い場合、審判の指示があった場合に「再試走」が行われます。
必ず「再試走」が生じるのは、試走時の反則行為である外線突破(外の線を越してしまう)や内線突破(内の線を越してしまう)などの場合が挙げられます。
「再試走」は一度限り可能で、一度目のタイムより二度目のタイムが遅かった場合は、反則失格及び出走停止の欠車となります。
■Q次郎のチェックポイント
・自車なのか他車なのかの切り分け
「再試走」時に気を付ける点は、
競走車の調子が芳しくなく「再試走」を行うのか?(後ろの選手に抜かれてしまった)
他の競走車の影響を受けて「再試走」を行うのか?(前の選手を抜いてしまい自分の全力が出せなかった)
で大きく異なります。
なので試走タイムだけではなく、どうして再試走になったのか?を判断し試走の動きの確認もしっかり行うと、より正確な判断が出来るのかと思います。
予想の上ではタイムが出ていても試走でタイヤも使っていますし後半にタイヤが滑り出す可能性なども加味し車券優先度は下げています。
また「試走タイム」と合わせて、この後お話しする「試走偏差」がとても重要となってきます。
【試走偏差】
「試走偏差」とは?
良走路の直近10走の「平均試走タイム」と
「平均競走タイム」から算出された数値となります。
※「試走偏差」は【競単アプリ】の出走表や公式HPの出走表で確認が出来ますので是非ご活用いただければと思います。
また不確定要素の多い雨の湿走路や中途半端な斑走路などには適用できないのでご注意下さい。
簡単に説明させていただくと、
「平均試走タイム」が3.35秒
「平均競走タイム」が3.425秒だった場合
計算式としては
「平均競走タイム」から「平均試走タイム」を引きます。
3.425秒から3.35秒を引くと0.075秒となり
公表される「試走偏差」の表記は「+075」となります。
例えば公表された「試走タイム」で
Aの選手が3.30秒で
Bの選手が3.33秒だったとします。
良走路の直近10走の「試走偏差」を入れて計算していきます。
Aの選手の試走偏差がプラス095で
Bの選手の試走偏差がプラス060だった場合
「試走タイム」に「試走偏差」をそれぞれプラスして計算をすると…
Aの選手:試走3.30秒+試走偏差095=想定競走タイム3.395秒
Bの選手:試走3.33秒+試走偏差060=想定競走タイム3.390秒
となります。
試走タイムだけではAの選手が大幅に上回っていますが、
試走偏差をプラスするとBの選手の方が0.005秒(約5m)も優勢と予想が立てられます。
試走タイムだけでは判断できない予想となります。
また注意していただきたいのが、特にS級選手や最重ハンデ寄りの選手になりますが、
①一般開催と②SG日本選手権などの斡旋が続いた場合は注意が必要です。
何故なら直近10走の平均値が崩れるためです。
「え?どういうこと?」と思いますよね。
例えばですが…
①一般開催のハンデ戦の場合
最後方からハンデを背負い7車を抜いていくレースだった。
②SG日本選手権の0mオープン戦の場合
トップスタートを切って1車も捌く事なく独走でゴールをした。
どちらがより試走タイムに近いですか?
となれば②のトップスタートを切って1車も捌く事なく独走でゴールをした。
になると思われます。
普段の「試走偏差」が+095の選手が+060まで上がるなんてこともあります。
なので
①一般開催→②SG開催
②SG開催→①一般開催
には注意してほしいかなと思います。
特にS級上位陣の
全国No.1、伊勢崎オート所属31期の青山周平選手
全国No.2、浜松オート所属32期の鈴木圭一郎選手
全国No.3、飯塚オート所属27期の荒尾聡選手などです。
※スタートが早く展開を優位に進める選手はタイムが変動し、スタートがあまり早くない選手はあまり変動しない印象です。
また「試走偏差」は選手それぞれ特徴がありまして、
例えば(2022年2月時点)
試走偏差が小さい選手では
飯塚オート所属27期の田中進選手は大きめコースを走る選手で「試走偏差」(+053)とかなり小さめです。
山陽オート所属17期の西村義正選手は小さめコースを走る選手で「試走偏差」(+050)とこちらもかなり小さめです。
山陽オート所属26期の山崎進選手は「試走偏差」(+114)とかなり大きめです。
小さいから、大きいから、良い!悪い!ではなく試走タイムに試走偏差をしっかり当てはめて欲しいなと思います。
選手それぞれ個性があって本当に面白いなと思います。
【試走+試走偏差で車券に活かす】
車券でどう活かせるかと言いますと、競走タイムの想定が出来るので予想が立てやすくなります。
良く穴目になりがちなのが、G1開催などで比較的売上規模が大きい大会などです。
上記の「想定競走タイム」はほぼ同じなのに「試走タイム」だけで売れて、
「試走偏差」の小さい選手が試走タイムが下位で劣勢扱いされて着内で穴目に。
「試走偏差」の大きい選手が試走タイムが上位で優勢扱いされて着外で穴目に。
普通に予想しただけで穴目の的中を取れる!なんて事もあります。
いかがでしたか?もし良ければ予想をする際の参考にしていただけると嬉しく思います。
皆様もご自身のスタイルでオートレースを楽しんでいきましょう!
最後まで見ていただきありがとうございました!
☆ライタープロフィール☆
Q次郎
オートレース系YouTuber
オートレースの魅力にハマり観戦歴25年。
1人でも多くの方に楽しさを伝えていく為YouTubeなどで関連動画を上げている。
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